IKSALON表現者工房三周年シリ-ズ 市民参加「現代・リーディング6」『あなただけ元気』

2019年6月22日 18:00

IKSALON表現者工房

 

小劇場で2時間は止めて欲しいと常々思っている。

2時間の観賞に耐えられる作品に出会えることがほぼないから。

 

「あなただけ元気」は2時間の会話劇。

珍しく時間が気にならなかった。

ホンがいい。

人材派遣会社のオフィスで繰り広げられるお話。

一人一人の社員、人と人の関わりが丁寧に描かれている。

リーディングという公演形式ではなく

普通の演劇で観てみたい

そう思わせるくらい人間が生きている作品でした。

  

 

演出/脚本/構成古川貴義(箱庭円舞曲)

出演坂口修一/竹内宏樹/山田まさゆき/若旦那家康/飯田紀史/乾佐和子

植野登紀子/瀧下美紗江/真嶋秀典/真銅美織/宮澤弘一/美輝明希/結木愛

朗読Bar「金魚の夢」

2019年6月8日 19:30

突劇金魚アトリエ

 

山田まさゆきさんの読む

江戸川乱歩の「人間椅子」が圧巻だった

 

序盤あたりで「多分こういう話なんだろうな」というのが分かる物語の進み方なのですが

それに気付いた辺りから

山田さんが作り出す世界がグイグイと私を引っ張る

とにかく気持ちが悪くて

座ってるお尻

寄り掛かってる壁に接している背中

その辺りが無性に気持ち悪くなってくる

気がついたら両腕に鳥肌

 

最後に読まれるもう一通の手紙

その手紙で私は

恐怖に突き落とされた

 

出演:山田まさゆき/サリngROCK/木下菜穂子/椎原小百合

 

レイモンド・カーヴァーの世界

2019年5月25日 14:00

兵庫県立芸術文化センター

 

去年に引き続き2度目のカーヴァーの世界

ピアノと朗読と光で作り出される世界は想像を掻き立てる

 

「コンパートメント」は気になってた作品だったので

朗読で体験できてラッキーだった

ヨーロッパの列車のコンパートメントが脳裏に蘇る

3人掛けの座席が向かい合った、会話するのに丁度いい広さの部屋

薄暗いコンパートメントに座る男の不思議な体験が

仲村トオルさんの素敵な声で語られていく

男と一緒にヨーロッパを電車で旅しているような感覚

 

手塚とおるさんは

去年と同じ「ダンスしないか?」と「もうひとつだけ」

「もうひとつだけ」のLDのダメ男ぶりがいい

手塚さん、こういう役をやるとホントいいダメ男ぶり

大好きな作品の一つ

 

作:レイモンド・カーヴァー

訳:村上春樹

演出:谷賢一

 

出演:仲村トオル手塚とおる

作曲・ピアノ演奏:阿部篤志

 

遊劇舞台二月病 第習回公演「shadow」

2019年4月21日 16:00

ウイングフィールド

 

一人の女性の半生を複数の女優で描いた作品

手法は面白かったんだけど

どうも同じ女性の違う年代というふうに見えなかったのが残念だった

その時近くに居る男性の影響や境遇に影響を受けてしまう女性なのかもしれないけど

同じ人間というふうには感じられなかった

 

と、辛口批判をしてしまったけど

面白い作品でした

面白いなどと簡単な言葉では済ませられない後味の悪い感じが二月病っぽさでいい

二月病を拝見すると

私も出演したいなぁて気持ちになる

今回の病んでる女性を私だったらどう演じるか考えるのが楽しい

 

作・演出中川真

出演:

石田麻菜美/武田真悠/橋本達矢/松原佑次/三村優里花/ルーデルマン大地(以上劇団員)

中村ユリ(魚クラブ)/古川智子(劇団大阪新撰組)/本多信男(カラ/フル・劇団大阪新撰組

 

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世界は一人

2019年3月28日 19:00

シアター・ドラマシティ

 

グルグル。ぐるぐる

 

目・・・頭?

が回ってくる

 

言葉、立場、時間、関係、記憶

ぐるぐる回りながら

ずれて

ゆがんで

 

なにがホントで

どこから見てるのか分からなくなる

淡々と進んでいく世界

不思議な感覚

 

 

作・演出:岩井秀人
音楽:前野健太

出演:松尾スズキ松たか子瑛太平田敦子菅原永二/平原テツ/古川琴音
演奏:前野健太と世界は一人
   (Vo,Gt.前野健太、B.種石幸也、Pf.佐山こうた、Drs.小宮山純平)

伊丹想流劇塾第2期生公演『憂歌2019』 ​

2019年3月16日 19:00

劇塾の塾生の作品お披露目会ですから

脚本に注目して観るべきなのかもしれませんが

上演て形になっているから、やっぱり演劇作品として観賞。

 

8つのお芝居
私が好きだなぁと思ったのは
「幸福コンプレックス」
「腹を横に」
この二つにはブルースを感じました。
 
「幸福コンプレックス」
いろいろ頑張りすぎてる女性に自分を重ねてしまいました。
ボーっと生きてるように思われてるようですが
一人で生きてくと決めたからにはそれなりに頑張ってる、うん。
劇中の女性の気持ち、なんか良く分かるなぁ・・・。
1つ目のお話で涙目に。
 
「腹を横に」
介護センターのお話に人間の本質を見た気がしました。
いろいろ思ったんだけど何も言葉にしたくない。
これはいい本だなぁ。
その本を川添さんと、山ちゃんが実際の人間として立体にしていた。
 
それからもう一つ。
全然ブルースは感じなかったけど
「未来を止めるな」
これはね
下手したら全然面白くない方に転んじゃう可能性がいっぱい。
一時期騒がれまくった中国のテーマパークにいそうな水色の猫型キャラまでいるし。
でも、牛嶋さんがメッチャチャーミングで
竹内くんがメッチャチポンコツ
メッチャ笑った。
 
 
作/
伊丹想流劇塾第2期生
ニコ・ドット萬
野上タクミ
Minakö;
飯也ナオキ
本真由美
モモトモヨ
森らんぽ。
来羅ゆら
 
演出/
サリngROCK(突劇金魚)
小原延之
山本正典(コトリ会議)
橋本匡市(万博設計)
 
出演/
イトヲ
牛嶋千佳(コトリ会議)
大路絢か
門田草(子宮男子)
川添公二(テノヒラサイズ
カン・ソンヒョ
椎原小百合(sunday)
竹内宏樹(空間 悠々劇的)
ののあざみ
濱本直樹(DanieLonely)
古川剛充(劇団「劇団」)
山田まさゆき(突劇金魚)

タテヨコ企画 『3人の姉妹たち』 ​

2019年3月2日 18:00
IKSALON表現者工房

チェーホフ三人姉妹は何が面白いのか、まだ私には理解できてないのですが
チェーホフなんて知らなくても、三人姉妹なんて知らなくても
全然関係なく充分楽しめる作品でした。
 
観劇前に、当パンの配役表を見ると
役の年齢がわざわざ書かれてるのですね
20代の年齢がずらずらと…。
何を血迷った横田さん!と思ったのですが
一つの家族と関わる人たちの16年の物語と知って納得。
 
三人の姉妹とお嫁さん、それぞれの生き方がそれぞれ分かる。
私は誰か一人に感情移入するって感じじゃなく、それぞれの人生を俯瞰してる感じかなぁ。
舘さんが演じてらした長女が素敵だった。
 
それぞれの人生に絡んでくる男性達もただ日々を生きている人たち。
坂口さんが演じてらした次女の旦那が、ホント、私は嫌いだ。
でも、あれが彼の生きてきた環境での彼の考え方なんだよなぁ。
で、多くの人が多かれ少なかれそうなんだろうなぁ。
自分にとっての当たり前は、誰かにとっては耐えられないものかもしれない。
 
他人のアルバムをめくってるような
そんなお芝居でした。
 
作:横田修
演出:横田修、青木シシャモ
出演:市橋朝子、舘智子、西山竜一、向原徹、久行しのぶ(以上タテヨコ企画)
岩崎正寛(演劇集団円)、小野寺亜希子(テアトル・エコー)、久我真希人(空観)
坂口修一、田村かなみ

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